REVIEW:SEASON3

 ケイゾンの領域を離れ、いよいよヴォイジャーはボーグの領域へ。
他のシリーズでおなじみのキャラクターが登場します。
ジェインウェイ艦長の髪型も「タマネギ」からポニーテールに。

 伝説のミスター・カトー

 

BASICS PART2:ケイゾン総攻撃(後編)

★ヴォイジャー奪還作戦!!

 TEST


FLASHBACK:伝説のミスター・カトー 

★できることなら彼らと一緒の船に乗りたかったわ

 スター・トレック開始30周年記念エピソード。映画の第6作「未知の世界」の冒頭部分を、セットや人物など可能な限り忠実に再現したそうです。先日その映画を見ましたが、ミスター・カトーがスモークの中から出てくることと、トゥヴォックがいなかった他は同じでした(笑)。TOS最後のこの映画、ヴォイジャーしか知らない私が、なぜか「これこそスタトレだ」と思ってしまうくらい楽しめました。

 とはいえ劇中では80年も昔のこと。24世紀のトゥヴォックが何度も見る「幻覚」の原因を突き止めるため、最も信頼する艦長と精神融合し、彼の記憶の中に入り、カトー艦長の「エクセルシオール」のブリッジで、クリンゴンの衛星が爆発するのに遭遇します。艦長も知らなかったトゥヴォックの過去と、いにしえの艦隊仕官の姿を目の当たりにして、興味津々の艦長がカワイイですね。ヴォイジャーを離れ(精神だけですが)、長い友人トゥヴォックと2人だからか、めったに見せない好奇心旺盛な少女のようで、艦長マニアにはうれしい限り。

 トゥヴォックが人間に対して持っていた不信感を乗り越え、一度は背を向けた艦隊に戻ってきた。数10年の回り道が彼を成長させ、決して良い出会いとはいえなかったジェインウェイ艦長を信頼するようになったのでしょう。何年たっても、地位が変わっても、カトー艦長のカーク船長に対する忠誠心が変わらなかったように、トゥヴォックの艦長に対する忠誠心、艦長のトゥヴォックにたいする信頼も不変なのだと、改めて実感した良エピでした。

 映画との相違点がもう一つ?。ヴァルテーンは最後まで死ななかったような?。エンディングでブリッジにいたような?。無粋なツッコミはやめましょう(笑)。


THE CHUTE:地獄星からの脱出

★トムとハリーの友情物語

 TEST


THE SWARM:ドクターのオーバーロード

★ドクターの一番の理解者はケスなのね

 TEST


FALSE PROFITS:救世主フェレンギ

★な〜にが救世主よ!

 ディープ・スペース・ナインにヴォイジャーが係留されてる時に、ハリーにからんでたクワークを見て、フェレンギってしたたかで嫌な種族だと思いましたが、デルタ宇宙域の2人はそれ以上かも。何を置いても我らが女王様に、口で勝ったのは彼らだけでしょう(苦笑)。

 これまでにも新技術やワームホールの発見などで、地球へ帰れる期待を持つ度に裏切られてきましたが、「こんなシーズンの途中であっさり帰れるわけないよね」と、妙な納得の仕方をしてきました。でもこれは許せないな〜。フェレンギって、こういう人たちばかり?。他のシリーズを見たとしても、この話しのせいでフェレンギを好きにはなりませんね、きっと。

 ラストでワームホールが消えるのをじっと見つめる艦長。自分のことしか考えない彼らに文句の1つも言ってやりたいでしょうに。がっかりした表情さえ見せず、元のコースに戻す指示を出す、リーダーとしての自制心が悲し過ぎます。


REMEMBER:偽善者の楽園

★話をするなら今しかないわ

 冒頭、いきなり(笑)。これはまだ設定上は子供のケスは当然として、艦長でもダメですよね。寝過ごしそうな夢ですけど。部屋まで起こしに来るのが副長というのは、いかがなもんでしょう。艦隊士官はお行儀良く寝てるのかもしれませんが、私なら困ります(苦笑)。色っぽい夢を正直に話してしまうベラナに、ちょっと照れてる副長。この2人のつながりも独特。ベラナが片思いしてるみたいなエピもありましたっけ。

 コレナと恋人、ラブラブな逢瀬から始まったベラナの夢。眠るたびに夢の世界は悪い方に展開し、恋人と父親の間にはさまり、最後は恋人の死に手を貸してしまったコレナ。コレナがヴォイジャーに同乗しているエナラ人の老女ミレルで、夢は若き日の彼女の実体験だと知ったベラナは、エナラ人たちに虐殺の歴史があったことをぶつけます。

 過去の過ちに目をふさがず、見つめることが大事。それが歴史から学ぶということ。負の歴史を覆い隠しているエナラ社会を許せないベラナに、艦長は「艦隊の誓い」があるから彼らの行動を見守るしかないと表情も厳しく言いますが、予定していた交易や上陸を取りやめ、エナラを離れることを告げます。そして彼らに伝えるなら今しかないと。厳しい人ですが、艦長も情の人ですね。

 テレパシー能力があるのに、コレナに恋人の真実がわからないのが不思議だったり、ミレルの死の真相、何故ベラナだったのかなど、判らないことはいくつかあります。自分がしたことの罪悪感をずっと忘れなかったミレルが、人生最期のときが近いことを自覚し、故郷を目指した。公平な目で見てくれるであろう第三者のベラナに、虐殺の歴史を伝えた?。でも、自分たちの負の歴史なら、まず伝えるべきは自分の仲間ではないかと、私などは思うのですが。

 艦長の白いスーツに降ろした髪。結構なものを拝見させていただきました。エナラ人の楽器はテルミンみたいな感じで、不思議な音でした。


SACRED GROUND:聖霊の怒り

★完璧な説明だわ。非常に・・・科学的で・・・

 珍しく友好的な種族で文化交流を図る最中に、ケスの困ったチャンな行動。政教分離が徹底した異星人社会で、ようやく探しだしたケスの意識を取り戻す方法は、儀式を受けて聖霊に許しを請うこと。精神世界とか、オカルト(?)っぽいことは副長の得意分野なのに、妙に否定的なのが不思議です。未知の儀式を受けるため、艦長はガイドが待つ洞窟へ。

 華奢できれいな艦長のお背中を拝見できたり、自然光が射して美しい、艦長のブルー・グレーの瞳が堪能できたり、ヨレヨレになって儀式を受ける艦長を異常に心配する副長とか、ツボがいっぱいあるエピソードなのですが、正直言ってよく判らない(苦笑)。

 24世紀になっても、全てを科学で説明できるわけではなく、目で見えるもの、トリコーダーでスキャンできるものばかりとは限らない。何の疑問もなく科学を信じる艦長と、聖霊を信じる自分たちと、どこが違うのか?。儀式の途中で出会った老人たちの言葉が、「信じる」とは本当はどういうことなのかを、少しずつ艦長に気付かせていく。

 最初に儀式を受ける時に艦長がガイドに言った「挑戦」は、あくまでも自分に対するものであって、艦長が儀式を試練だと思わなければ、肉体的にキツイことをする必要はなかったのかもしれない。でも訳の判らないものを無条件に信じるなんて、艦長じゃなくても簡単に出来ることではありません。試練に耐え必死で模索する艦長に、ガイドも老人たちも、ケスを助ける方法はすでに知っているはず。もうすでに艦長の中にあるはずだと言います。

 このあたりを見ていて、「あなたの中に、太陽も星も月も、あなたの必要なものはみんなある。あなたが求めている光は、あなた自身の中に宿っているのだから」という、友人が教えてくれたヘッセの詩を思い出しました。ケスともう一度サンクチュアリに入る。危険?2人とも死んでしまう?。このとき艦長が言った「挑戦」は、自分のためではなく、未知なるものに虚心に、謙虚に向かい合う、そんなことを意味しているのではないかと思いました。

 エピローグで艦長とケスの身に起きた「現象」を、得々と説明するドクターに向けた、何ともいえない複雑な艦長の表情。説明は完璧だけど、艦長はそんなことは少しも考えていない。一度は振り向いて説明しようとしたのに、結局は言葉を飲み込んだ艦長。初期シーズンならではのエピソードですね。評判は悪いようですが、艦長の内面を伺える貴重な話、私は好きです。

 元々艦長は「信頼」を重んじる人でしたが、このエピ以降はクルーに対してだけではなく、見知らぬ異星人に対しても、広い心で柔軟に対応するように変わって行ったように感じます。デルタ宇宙域では、それに応えてくれる人ばかりではないのが、残念といえば残念ですが。


FUTURE'S END PART1:29世紀からの警告(前編)

★警告と言うよりケンカを売りに来たのでは?

 TEST


FUTURE'S END PART2:29世紀からの警告(後編)

★大脱走

 TEST


WARLORD:暴君の星

★ケスに何が起こったか?

 TEST


THE Q AND THE GREY:レディQ

★単細胞生物より私を選んでくれたの、まあ嬉しい!(怒)

 超新星爆発に沸き立つヴォイジャー。珍しくブリッジに全員集合して、明るい表情の艦長がいいです。本当なら、こんな観察とか調査をする艦なんですよね。オーバーワークを副長にたしなめられ、素直に従う艦長。自室で待っていたのは、怪しげなピンクのベッド(笑)。

 Qの再登場。あろうことか艦長を口説くなんて、命知らずと言うか何と言うか(苦笑)。片手で抱き寄せるわ、お久しぶりのピンクのナイティにするわ、オープニングの最中に押し倒すわ(爆)。やられっ放しの艦長も、口では負けてないですが。普段は立場上コミカルな会話は少ない艦長が、相手がQだと心置きなくやっつけてくれるのが愉快ツーカイ。

 言いたいこと言ってQが去った後の通信、翌日の作戦室の場面、副長はよほど艦長とQの仲が気になるのでしょうか。「個人的な用件」を尋ねられ、「私と寝たいと言ったのよ」と答える時の絶妙の間、絶句する副長。何か魂胆があるのよと、本気にしてない艦長の言葉をイマイチ信じられない様子の副長に、艦長まで立ち上がって肩に触れてしまうんだから。このへんツボだらけ。Qが現れ艦長が全く相手にしてないと判ると、とたんに強気になる副長。正直な人だなぁ(笑)。

 あの手この手でしつこく艦長を誘惑。お風呂で歌った??ほんとなら艦長の反応を見たいもんだわ。手ひどく拒絶されても懲りないQの奥の手は子犬。艦長の頬も緩みました。ちょっとだけ良い雰囲気になったところでレディQのご登場。艦長を「メス犬」ですって?許さ〜ん!!(爆)。でもきれいな人ですね。Qにベタ惚れ、嫉妬に燃えてる?。エンリョなく持ってってください。

 超新星爆発のドサクサにまぎれQに拉致された艦長、着いた所はQ連続体のアレンジ版その2。原題のグレイは舞台となった南北戦争を意味するそうです。クインの自殺から始まった連続体の動乱。艦長と子供を作ることで人間のDNAを持つ新種のQを産み、連続体に変化をもたらす。全知全能というQなのに意外と人間的と言うか、浅はかと言うか(苦笑)。人間から見れば「神」のようなQですが、Qしかいない連続体では全能パワーも特殊ではないから、時間がたてば内輪もめが起きるのは当然なのかな。おかげで超新星爆発がおきるんだから、かなりハタ迷惑ですが。

 残された副長、レディQに掴みかかってますねぇ。会議室でもなかなか駆け引き上手。気の強い女性の扱いは手馴れたもんです。さり気なく副長に張り合う(?)トゥヴォックも、大切な艦長が心配なのよね。ベラナの毒舌のキレもサイコー。艦長を救うためなら、無茶でも何でもやってしまう俺様な副長、超新星だろうが突撃だ〜!!。

 ケガを負い、味方は敗色濃厚なのに、新しいQを産みだすだけで事足りると思ってるQに、彼が欲しがる人間の特性は、何世代にも渡って親が子に教え、伝えて育んだものだと教える艦長。だから自分の理想は自分で伝えなさい・・・と。この艦長の考えは、ヴォイジャーの中でも実践されていると思います。優しさや思いやりの心がなければ、呉越同舟の艦の秩序は保てない。ファミリーとして結束することもなかったでしょう。その意味では、Qが艦長を母親に選んだのは正解ですね、見る目だけはある。ちょっと(かなり?)悔しいけど(爆)。

 刑場に引き立てられ、最期の言葉を口にするQ。おふざけばかりのQが、初めて見せた真剣な顔。助命を願う言葉より、艦長の心を動かしたみたいですね。絶体絶命の危機に笑って「いいのよ」と言ったくらいですから。ただ、マジメなQはそこだけ。撃たれてないのにうめいたり、助けに来たレディQとすぐにイチャイチャ。さっきまで艦長を口説いてたのは誰よ!。まったくもう!。スタトレ史上初、Q同士による歴史的生殖活動・・・て、アレなの!。艦長の「それで終わり!?」という間の抜けたセリフ、見てた人全員が言ったんだろうなぁ(爆)。

 実にマメなQの口説きやプレゼント攻勢に、最後まで落ちなかった艦長。さすがと言うか立派と言うか。おかげで副長が艦長にメロメロというのが判ったし・・・これは違う?(笑)。でもあの艦長を押し倒すなんて、副長にはぜ〜ったい無理でしょうねぇ(タメ息)。


MACROCOSM:巨大ウイルス

★運動はもう充分って感じなの(^_^;)

 最初に出てきた怪しげなボディランゲージのタクタク人。どうやって食事するのか不思議な口したお笑い系の人かと思えば、クリンゴンが寛大に見えるほど好戦的で非寛容だそうで、取り引き成功はニーリックスの手腕のなせる技。それにしても艦長とニーリックスのミッションは珍しい。帰途、艦長にコーヒーをサービスするあたりコーヒーの効用を知ってる、と言うよりコーヒー切れの艦長はタクタクよりオソロシイと学習してますねニーリックスは。

 2人の留守中にヴォイジャーは漂流、戻ってみれば艦内にクルーの気配はないけど何かがいる。ターボリフトで襲撃され、ニーリックスまでが行方不明。1人残った艦長、何故か機関室にあるフェイザーライフルとナイフ、爆弾(?)で完全武装。おまけにタンクトップで。別の映画みたい(笑)。でもカッコイイ!!。ライフル構えて目指せブリッジ!。

 ブリッジで小型に刺され、食堂で巨大化したウイルスに襲われ負傷。たどりついた医療室で立て篭もってたドクターと合流しますが今回の艦長はとことんツキがない!。別ルートで12デッキを目指したドクターが立ち往生してしまい、またしても孤軍奮闘。あのタクタク人まで攻撃してきて、コマンドーからネゴシエーターに(苦笑)。最後はホロデッキを大破させる奇策でワクチンを艦内に撒いてウイルスを撃退。タクタクとも交渉成立。はぁ〜やれやれ。

 シャトルベイの第10デッキから、途中の数デッキをハシゴで往復し、第11デッキの機関室、第1デッキのブリッジ、直下の食堂、第5デッキの医療室、そこからジェフリーチューブで第12デッキの環境制御装置まで、第6デッキのホロデッキでは全力疾走(爆)。ターボリフトも使ってますが、ほんとに広い艦内を縦横に這い、走ってますね。ヴォイジャーがイントレピッド級でよかった。大きなエンタープライズEなら大変でした。

 エピローグでいつもと違うジャズっぽいBGMの中、作戦室で絵を描く艦長。副長にホロデッキのスキーに誘われますが、スポーツ好きな艦長も運動はもうたくさんと苦笑い。そりゃそうでしょう。ほんとにお疲れさまでしたm(__)m。それにしても巨大ウイルス、あのサイズで空中を自由自在に浮遊できるのが不思議。でも人間を食べたり速攻で殺したりしないウイルスでよかった。たまにはテーマとかドラマ性とか科学考証とか、それこそ銀河の反対側に吹っ飛んだようなエピもいいです。艦長に堪能しましたしね(笑)。


FAIR TRADE:密売人

★先のことなんかわからないわ。だからこそ力を合わせるんでしょ

 始まりは些細な、ウソとも言えないようなウソ。でも1つのウソが次のウソを呼び、連鎖的に増え、ついには進退窮まってしまう。破滅しそうなほどウソを重ねたことはありませんが、ウソの上塗りをした経験はあります。だからニーリックスの心境はよ〜く解ります(笑)。

 道案内できない領域までヴォイジャーが来てしまい、自分の存在に自信を持てなくなったニーリックス。デルタ宇宙域に詳しいと売り込んで乗船したのだから、役に立たなくなると降ろされると思い詰める彼。それよりも自分が作る料理の多くが、クルーの口に合わないことを気にして欲しいです。そもそも役に立つから乗せてるなんて、誰も思っていませんよ。

 かつてニーリックスと一緒にヤバい橋を渡ったウイックス。もっとしたたかな悪人かと思えば、度胸のない小悪党。そのおかげでニーリックス捨て身のハッタリが成功したのですが。もっとも彼は本気ですから、爆発で死んだと思ったでしょうね。

 医療室で目覚め、艦長のお叱りを受けます。信頼を裏切られることを何よりも嫌う艦長ですから、怒りモードはレッドゾーン近くまで来てます。艦隊士官にとって一番大切なのはウソをつかないことですか。常に死と隣り合わせのヴォイジャーでは、お互いに信頼し合うことが重要だし、それなくしては旅が破綻してしまいますからね。

 コック、ガイド、ムードーメーカー、大使などなど、ニーリックスは仕事の幅を広げていきますが、彼の最も重要な役割は、艦長を慰めることではないでしょうか。艦長の部下ではあっても艦隊式の階級制度に組み込まれていない彼は、クルーと距離を取ってる艦長に、どこでも気軽に話し掛けられる貴重な存在です。でもね〜、ニーリックスは自分が必要とされてることに、まだ気付いてないんですよね。


ALTER EGO:ホログラムの反乱

★結構・・・しかし、ありがとう

 ハリーは恋をしたら心を全部持ってかれてしまうのですね。仕事は上の空、心を安定させるためにヴァルカン人に助けを求めるなんて、婚約者がいる人とは思えない(苦笑)。第1シーズンのエピで、美女との逢瀬より仕事優先だったお堅い艦隊クンのハリー、今回も彼の純情物語かと思えば、お当番はトゥヴォックなんですね。

 妻子あるヴァルカン人は、どんな美女に言い寄られても心を移したりしないのかなぁ。マレーナに興味を持ったのはただの好奇心?。クールで知的で、ヴォイジャーにはいないタイプですから、感情はなくても心のどこかに惹かれる部分があったのでしょう。

 マレーナは孤独を分かち合える人として、トゥヴォックを求めたわけですが、ヴォイジャー内での彼の孤独は、ヴァルカン人ゆえの孤独であり、彼にとっては当然のことで、孤立してるわけではありません。確かに煙たがられてるし、トロピカルリゾートでも制服を着てるし、いつも眉間にシワを寄せてるから誤解するのも無理ないですが、自分から独りを求めたマレーナとは違います。それだけに論理的に考えれば来るしかなかったと言われた彼女は、ちょっと気の毒でした。

 不思議な天体現象に興味津々の艦長、この時期のヴォイジャーは比較的のんびり旅してますね。トロピカルなドレス姿もお美しい。どうして全身を映してくれないのかなぁ。もったいない。艦長と腕を組んで目尻が下がってる副長、ちゃっかり手までにぎってます(笑)。


CODA:霊界からの誘い

★死ぬなキャスリン!死ぬんじゃない!!

 大急ぎで通路を歩く艦長、バタバタ追いかけるニーリックス。私の好きなパターンですね。何事かと思えば、好評だった「タレントナイト」を月イチで、ついでにトゥヴォックはヌキでと密約も楽しそうなプロローグ。艦長が急ぎまくってたわけは、副長と2人きりのミッションだったのね〜。シャトルの中、いいムードでくつろぐお2人サン、仕事でしょ?。私も艦長が踊る「瀕死の白鳥」は見たいけど(爆)。でも副長のシャトルミッションと言えば、遭難は漏れなく付いてきます。つまり今回は艦長が災難に遭うわけです。

 イオン嵐で墜落したシャトル。呼吸の止まった艦長を、懸命の人工呼吸で蘇生させますが、副長はヴィディア人に撃たれ艦長は絞殺。そこでシャトルでくつろいでる場面に戻ります。状況がつかめないまま、ヴィディア人にシャトルを撃墜されたり、ヴォイジャーに救われたと思えばフェイジに感染してドクターに安楽死させられます。この時のドクターが艦長を見る冷徹な眼、すごく怖いです。時間の輪にはまったのか?。出だしは同じでも筋書きはいろいろ、でも結末はいつも艦長の死。

 しかしその不思議な体験をしているのは実は艦長だけで、墜落現場で副長が瀕死の艦長の蘇生を失敗するのを横で見るに至って、幽体離脱のような状態だと解ります。この場面、必死の副長には悪いのですが、泣きながら「死ぬな!キャスリン!」と言ってぎゅっと抱きしめる、本当にいいシーンですよねぇ。男性クルーではトゥヴォックのファンでしたが、これで一押し男性キャラは副長になりました(笑)。

 ヴォイジャーに戻った艦長はドクターの蘇生の甲斐も無く死亡しますが、クルーはケスが感じた気配から艦長の「魂」はどこかにいると考え探します。そこへ現れたのが15年前に死んだはずの父。自分の存在が不確かな状況で最愛の父と再会したのに、冷静に考え自分の生を確信し父を否定する。これって出来そうでなかなか出来ないことだと思います。死を認めさせようとする父の言葉に耳を貸さず、クルーの奮闘を見守りますが、ついに自分の葬儀を迎えてしまいます。彼女への感謝と思い出を語るクルーに、流石の艦長も涙をこぼします。

 それでも例え存在を判ってもらえなくても、ここに留まりクルーを見守ると言い切る艦長。この責任感が今までヴォイジャーを支えてきたのですね。艦長の生への執着の強さに父も一瞬ひるんだのか、治療するドクターたちが垣間見え、父が死の世界へ連れて行こうとする生命体が化けたものだと解ります。そうと解れば負ける艦長ではありません。吹き替えでは「私は絶対に屈しないわ。諦めなさい」と言ってますが、原語の「地獄へ帰れ、卑怯者」のほうが艦長の強さと怒りをよく現してると思います。闘いの中の女王様然とした強さではなく、彼女の本質的な強さが描かれた珍しいエピかもしれません。

 瀕死の人を連れて行く母体、つまり死後の世界?。楽に死を認めさせるために来たと言われて、艦長以外の人はほいほい付いて行ったようですが、そこに行けば「未来永劫私に仕えるのだ」でしょ?。それでは詐欺だ(苦笑)。自発的に行かなければダメという非効率性を解決すればとか、人材をスカウトするならもっと紛争の絶えない所へ行けばとか、ツッコミを入れたくなるほど、やってることの意義が解らない。

 エピローグで作戦室にバラの花を持って現れた副長、危うく殺しかけたお詫び?。花を持ってブリッジのトゥヴォックの前を通ったのね。おかげで(?)シャンパン開けて月夜のジョージ湖へデートに誘われて。いいなぁ。第2シーズンの「ヴィディア人の協力」に継ぐ艦長&副長ラブラブエピ。2人で羽を伸ばすのはホロデッキだけにして、副長とシャトルミッションは止めましょうね。ほんと生きててよかった。


BLOOD FEVER:消えた村の謎

★なんなんだぁ〜、このエピは

 TEST


UNITY:ボーグ・キューブ

★チャコティ女難の巻

 TEST


DARKLING:ドクターの内なる闇

★ドクターも懲りない人だわね

 TEST


RISE:謎の小惑星

★トゥヴォ&ニー、実は名コンビ。

 TEST


FAVORITE SON:女たちの星

★ハーレムは男の人の夢?

 TEST


BEFORE AND AFTER:9才のケス

★初めて見たヴォイジャーがこれで良かった

 TEST


REAL LIFE:ドクターの家庭

★リアルな家庭は不幸な家庭?

 楽しいことがあり、苦しいことがあり、愛し合い、時に反発し合い、日々を過ごしていくのが家庭です。最初の完璧なドクターの家庭は、余りに非現実的で、あんな家庭を理想と思う人がいるとは思えない。シニカルなベラナはともかく、ケスまでがおかしいと言うのですから。おまけに賞賛されたいという気持ちが強いドクターの願望があからさまで笑ってしまいます。

 でも親の立場から見れば、2人の子供は理想かもしれません。親の言うことを良く聞いて、まじめに勉強して、まっすぐ健全に、清く正しく育って欲しい。だからつまづかないように、傷つかないように手を差し伸べ、守り導こうとする。成長すると子供にはそれが煩わしいんですけどね。プログラムをいじってからの息子の父親に対する反発は、どこの家でもありそうです。夫婦のすれ違いなんかは、どこの家にでもありそうな、まさにリアル・ライフ(爆)。

 ただ、娘の死をプログラムしたベラナの真意はどこにあったのでしょうね。トムの暖かい助言があったから、結果的にドクターはこの経験で成長したとは思いますが、家庭を経験したいだけの彼にそこまでする必要はなかったのでは?。

 サブ・プロットの乱流、ま〜た艦長たちは楽しそうに余計なことに手を出して(苦笑)。台所事情は相変わらず苦しいのですね。危機的状況でもユーモアを忘れないトム、ドクターへのアドバイスといい今回の彼はカッコイイ。みんなで危機に対処するのもいいですね。


DISTANT ORIGIN:遠隔起源説

★それでも地球は回っている

 「ケイゾン総攻撃」で死んだホーガンの遺骨が、こんなところで絡んでくるとは。でも骨は残らなかったような?。それにヴォス人が手に入れたワーププラズマ(手渡したのはタクタク人?)、あれってヴォイジャーのものじゃないし、爆発しなかったっけ?。まあ、細かいツッコミはともかく、なかなか面白いエピソードでした。

 ヴォス人の故郷は遥か彼方の惑星だという「遠隔起源説」を裏付けるホーガンの骨。ハノ号星からヴォイジャーに追いつき、こっそり侵入してクルーを観察するヴォス人。見慣れた艦内の日常生活を、言葉にすると妙に面白いです。「メスが上位の社会」ですか。確かに。ボーグと交戦中の後期艦長を見たら何て言うでしょう(爆)。

 「遠隔起源説」を提唱するゲイガンと、認めない元老院。そこに発祥の地「地球」から来たチャコティが加わって、さながら中世の宗教裁判のよう。ゲイガンを擁護するチャコティの熱弁はいかにも彼らしくて、頑迷な大臣の心も打ったようですが、ヴォス人の歴史観を変えるには至らない。種の存在の根源に関わることだから、1人の学者と異星人(チャコティ)の言葉だけで、すぐに180度の転換はできない?。何億年も前に宇宙へ出られる技術があったんだから、どこで発生してたって関係ないと思いますけど。

 それに学者が生涯をかけた研究を、検証もせず脅して撤回させるところは文明国(星)とは思えない。ヴォイジャーの遥か上を行く科学技術を持っているのに、半ば伝説のような創世記を盲信し、誰も自分たちの種のルーツを探ろうとしなかったのも不思議。億単位で時代を隔ててるから記録が残ってない?。

 でもね〜、地球で誕生し進化した恐竜が宇宙に飛び立ったと言われても、もーひとつ頷けないです。夢のないことを言っても始まりませんが(苦笑)。ホロデッキでドクターと、恐竜の進化をシュミレートする艦長が、科学士官上がりの本領発揮でGOODでした。それにしても、彼らがもっと友好的な種族なら、トランスワープ技術を教えてもらえたかもしれないのに。それが残念です。


DISPLACED:消えてゆくクルー達

★そして誰もいなくなった

 クルーが1人消えると、異星人が1人やって来る。ヴォイジャークルーは、どんな顔をした異星人を見ても平気、と言うか顔で人となりを判断しませんが、宗教家のような格好で、穏やかそうな地球人顔をしてると、私なんかはつい善人だと思ってしまいます。副長やベラナも敵意は感じず、彼ら(ニリア人)も被害者だと思いましたが、艦長だけはイヤ〜な予感がしてならない。ダテに3年もデルタ宇宙域をさすらってません。さすがです。

 消えたクルーは地球のような快適なコロニーに転送されて、それなりに楽しそう。かなりの危機なのにトロピカルな周りの雰囲気で、緊迫感が全然ない(苦笑)。それでも艦長は脱出方法を探って、テキパキ指示を出して凛々しいわ。最後までヴォイジャーに残った副長は、マキ式のゲリラ戦法(?)でニリア人をかく乱、こちらもワイルドでかっこいい(笑)。

 ヴォイジャーにいるニリア人の男もイヤな感じですが、コロニーに現れた女司祭みたいな人も、慇懃無礼な態度がとても不快。殺さずにそれぞれの生存環境を再現したコロニーに送るのも偽善的。もちろん殺されちゃ困るけど。彼らだけじゃなく、技術が進んだ種族の多くは傲慢で、他の星の人たちを平気で蹂躙するんですね。最後は自分たちが苦手な環境に、自分たちのテクノロジーで転送されて、自業自得ってもんです。艦長の外交術も硬軟取り混ぜ、したたかでCOOLです(爆)。

 このエピソードからトムとベラナの仲が進展するんですね。クリンゴン・ハーフの乙女心は複雑。最後に「暖かいっていいわね」と言ったベラナ、何が暖かいの?って聞くのは野暮?。トムの横顔の笑顔がステキでした。


WORST CASE SCENARIO:反乱

★死んでも悪女はしたたかです

 TEST


SCORPION PART2:生命体8472(前編)

★3年前は名前も知らなかった。今はあなたなしではやっていけない

 ヴォイジャーを見はじめて4話目?、クルーの名前もよく知らないで見ていましたが、欠かさず見るようになったのは、このエピソードを見たからだと思います。でも夜中の12時から始まるSF番組にハマるとは(それもDVDを揃えるほど!)、初見時には思いもしませんでした。

 良くも悪くもヴォイジャーの、何よりジェインウェイ艦長のターニング・ポイントとなったエピだと思います。前門の虎、後門の狼。抜き差しならない八方塞りの状況から、起死回生の奇策を実行。何かと批判の多い「後期型艦長」にシフトしていくきっかけが、この強烈な体験だったのだと、DVDを見て改めて感じました。一番好きでもないし、感動したわけでもないけど、最も印象に残るシーンがあったエピです。

 レオナルド・ダ・ヴィンチの工房で弟子入り志願する艦長。これにダ・ヴィンチが出ていたのは忘れてました。旅を始めて3年。精神的な拠り所を求めようとする艦長は、リーダーとしての重責と孤独に喘ぎ始めていたのかもしれません。ダ・ヴィンチ本人は後編と、ほか1話しか出てきませんが、工房は艦長の安らぎの場として何度も出てきます。

 追い越しざまに放たれたボーグのスキャン波がブリッジを一周するのを、かっと目を見開き前を見据えてやり過ごす艦長の強い瞳が印象的。ヴォイジャー存亡の危機を前にして、作戦室で副長とこれまでの3年間で培ってきた信頼関係を確認し合うシーン、2人は強い絆で結ばれてるのだと思いました。それだけに後の土砂降りが悲しいわけですが。

 夜更けに工房を訪れ、敬愛するルネッサンスの偉人に迷いを語る艦長。彼女は議会の議長ではなく艦長だから、意見を取りまとめるのではなく、決断をしなければならない。そして決断に迷いや躊躇い、増して間違いは許されない。ほの暗いロウソクの灯り、ゆれる影。まるで艦長の抱える苦しみや孤独が映し出されたかのような、にじんだ影を見て下した究極の決断。

 「悪魔と取り引き」する。故郷へ帰るための唯一の手段を、艦長は副長に全面的に支持して欲しかったでしょう。いえ、してもらえると思ってた。ヴォイジャーの旅の目的は故郷へ帰ることなんだから。「あなたは1人じゃない、一緒に乗り越えましょう」と彼は言ったのだから。でも副長は帰還が最優先の絶対的事項ではなかった。

 この決定的な違いは、絶望的な孤独感を艦長にもたらしたでしょう。「私は独りなのね、結局」と、ここで思い知ったわけです。残り何年かかるか解らない、先の見えない長い旅。艦長としてクルーの生命と未来を「1人で」背負う覚悟を決めたのだと思います。涙目になるほど辛いのに、何も言わず副長を下がらせた艦長の心中を思うと、このシーンを見るのは私はとても辛いです。

 強敵ボーグを遥かに凌ぐ生命体8472。大きなボーグキューブを木っ端微塵にしたり、1隻のバイオシップにエネルギーを集めて1つのビームにする、まるで○レンジャー・○トームのような攻撃で惑星を破壊したり、こんなのに襲われたらヴォイジャーなどひとたまりも無いです。ボーグの見た目も恐いけど、非ヒューマノイドの8472はもっと恐い。わずかな細胞が体に入っただけなのに、体内から8472に食べられてしまうハリー、こぼれた涙が胸に迫ります。ほんとに君は不幸だわ。

 覚悟を決めた艦長の毅然としたさまに、副長も気おされたのか、最後はいつも以上に優秀なと言うか、俺様な副官でしたね。

 


BACK TO HOME