REVIEW:SEASON5
ジェインウェイ艦長が引きこもりになったり、ボーグと再び遭遇したり、
ますます波乱万丈のヴォイジャー。
艦長ファンには見逃せないエピソードがたくさんあります。
NIGHT:暗黒の汚染空間 ★やさぐれ艦長、どうなってるの? TEST DRONE:新生ボーグの悲劇 ★恐るべき子供 TEST EXTREME RISK:心は闘いに傷ついて ★デルタ・フライヤー初飛行 TEST IN THE FLESH:偽造された地球 ★セカンド・コンタクト TEST ONCE UPON A TIME:火山惑星からの生還 ★ナオミとニーリックス・・・泣けます TEST TIMELESS:過去を救いに来た男 ★ひとつ貸しだぞ ヴォイジャー100話記念ということで、TNGのジョーディ・ラ・フォージがUSSチャレンジャーの艦長として特別出演。ギャラクシー級って、エンタープライズDもそうなんですよね?。今回の見所は氷漬けのヴォイジャーとか、墜落シーンなどのきれいなCGと、あとは酔っ払いのボーグ(爆)。セブンにからまれて、まんざらでもないドクターもツボでした。 人生は一度きり。思い通りになってもならなくても、過ぎてしまった時間は戻らない。嬉しいことも楽しいことも、時がたてば忘れてしまいます。悲しみや苦しみや後悔さえ、同じことです。でも、もし時が止まってしまったら。余りにも大きな苦しみで、心の中の時計が進むのを止めてしまったら。そして止まった時計を動かす宝箱を見つけてしまったら。 15年前、自分のミスからヴォイジャーを墜落させ、150人の生命を奪ってしまったハリー。家族以上の深い結びつきがあった仲間を死なせてしまった苦しみは、懐かしい地球に帰り15年の時を経ても癒されませんでした。老けメイクをしても老けて見えませんが(苦笑)、あの生真面目なハリーの面影がなくなるほど罪の意識に苛まれ続けた彼が、禁断の扉を開き、止った時計を「過去」に向けて動かそうとしたことを、善いことだとは思いませんが、責められて然るべきとも思いません。スリップストリームの中でヴォイジャーを見失い、彼らの運命を悟り、崩れるように座り込んだハリーの呆けたような顔、辛いです。 犯罪者になってまで仲間を助けようとするハリーに協力するドクターも、やはりヴォイジャーの家族なんですね。2度目の位相計算に失敗し、取り乱すハリーを叱咤する彼、ただのプログラムじゃないです。 元はといえば時間が足りないとはいえ、不確定要素を解決できずに抱えたまま、スリップストリームを強行したのが問題なんですよね。スリップストリームを発生させれば、通常のワープエンジンのデルタフライヤーでも、地球へあっさり帰れる夢の新技術ですから、諦められないのは解りますが。いつもの周到な艦長らしくないのは、ブラガ氏の脚本のせいでしょう。 15年モノの氷漬け死体というショッキングな姿から一転して、生きてる艦長は副長とウフフなディナーシ―ン。料理ってレプリケーターで作るんでしょ?。それで食べるのに勇気が必要な料理を作るなんて、艦長も器用なのか不器用なのか(^_^;)。「クスリ頼んどきます」という副長のいぢわるさもナイス。いい雰囲気ですよね、艦長ってば副長の顔を触ってるし。 全てが終わり食堂で1人コンピューターに向かうハリー。スリップストリームが停止して実験は失敗したわけですが、自分の計算した値を使っていれば大惨事になっていたことを知ります。それは失敗した事実より重く辛いことだったでしょう。そして致命的な危機で差し伸べられた「守護天使」の手。それは未来の自分のものだった。「ひとつ貸しだぞ」は印象深いセリフですが、言われた今のハリーには、一生かかっても返せない借りですね。 最後の艦長の言葉「タイムパラドックスの解決法は一つ。考えないことよ」は、いろいろ物議をかもしたようですが、最初に地上波でこれを見たときは、時間軸をいじることや、リセットボタンの多用など、ヴォイジャーの問題点を知らなかったので、単純に落ち込むハリーを思いやる言葉だと思っていました。DVDでもう一度見ても、言った後でハリーを見る艦長の複雑な表情から、やはり同じように感じました。 先に書いた「人生は一度きり」、現実世界ではそうだから、虚構の世界でも最善を尽くし、一発勝負で頑張って欲しい。結果が多少ご都合主義であっても許容範囲。と思う反面、虚構だからこそ現実では叶わないことをして欲しいと思う気持ちもあるんですよね。私のようなごく普通の平凡な人生でも、少なからぬ年月を生きていれば、叩けば多少のホコリも出ます。「時間を遡り、選択をやり直せる」と言われて、キッパリ断れる自信はありませんから。 INFINITE REGRESS:遥かなるボーグの記憶 ★これ以上耐えられないかもしれない ボーグドローンの心を統一するリンク装置の影響で、かつて同化した生命体の意識が顕在化し、ボーグ版多重人格障害になったセブン。鏡に映った人物がセブンの意識を支配しているという演出が利いてます。ジェリさんの演じ分け、沢海さんの七色の声も見事でした。 クリンゴン、ヴァルカン、地球人、フェレンギなどなど、アルファ宇宙域の種族がかなり同化されてるのですね。一番おもしろかったのはフェレンギ。美人のセブンがすっかり強欲なオッサンになって(爆)。すぐさま対応した艦長もさすがです。 集合体から切り離され、誰の声も聞こえなくなり、その空虚さに苦しんだセブンが、少しずつ個人を取り戻し、人の声ではなく自分の内なる声を聞けるようになったころに、再び集合体の意識に苦しめられる。これ以上耐えられないと、初めて弱音を吐いたセブン。「頑張り続けることが肝心よ」と励ます艦長に、ほんの一瞬見せたすがるような眼差し。普段のセブンからはうかがえませんが、本当は艦長の支えを必要とし、いつでも受け入れてくれることを、人間性を取り戻す拠り所にしているわけです。 艦長もまたセブンを大切に思ってるのですね。苦しむセブンを目の当たりにして、集合体から切り離したせいだと自分を責めて。副長のナイスフォローに安堵の笑顔を見せましたが。もちろん他のクルーも、セブンのために当り前のように危険に飛び込んでゆく。セブンに限らずこんな積み重ねが、ヴォイジャーを一つの家族にまとめてきたのです。 最後は艦長の「粗大ゴミ」発言でリンク装置を放り出し、セブンの機能不全は治まり、まずは良かった。人間の身体にボーグの記憶。優秀な頭脳に美しい容姿と、思春期以前の幼さと素直な感情。相反するものを抱えるセブンの成長を、この先もずっと変わりなく見守る艦長の優しい視線。なんだか羨ましいなぁ。 NOTHING HUMAN:寄生生命体の恐怖 ★宇宙一汚い男でも構うもんか。ベラナを救えればね 各シーズンに一度はある、答えが出ない、どちらが正しいと簡単には言えない不条理エピソードですね、これも。最初に地上波で見たときは、なんだか偽善的でとても嫌な感じがしました。だからDVDを買って半年以上、見直すことをしなかったわけですが。今回、改めて見て思ったのは、どんな形にせよ医療の進歩には先人の犠牲が必ずあり、一つの生のうしろには無数の死があるのだということです。 人体実験と動物実験。人間でなければ無慈悲に殺しても許されるのか。非道な実験で得た治療法でも、利用してしまえば結局は許容したことにならないか。カーデシア人医師のモセットの言うことは、ある意味では真理だと思います。だからと言って許容できない。彼の言葉を論理的に批判できませんが、それは違う。 ただ、目の前で愛する人が死に瀕している時、治療法があるのにそれを拒絶し、死に行く様を黙って見ていられるでしょうか。これは人体実験だけでなく、臓器移植や延命治療などでも同じです。本人は納得づくでも、見守る側は辛いです。ベラナとトムが逆だったら、彼女はトムの死を素直に受け入れたでしょうか。 ドクターとモセットの医師としての倫理。「正義」の立場からカーデシアを許せないチャコティやベラナと、母星を蹂躙され、身内を殺されたテイバーの激しい怒りと憎しみ。それぞれ同じ方向を向いているようで、立場が違えば同じではない。このエピについて、何をどう受け止めればいいのか、正直言ってよく判らないのですが、「決断するのが私の仕事。あとの責任は全て持つ」という揺るぎない艦長に、救いのようなものを感じました。 最終的にドクターはモセットと彼の研究の全てを削除しましたが、この先これと同じことが起きた場合、どうするのでしょうね。それに元々彼にインストールされているデータが、倫理的に何の問題もなく蓄積されたものばかりとは言えないでしょう。結局のところ言い方は悪いのですが「知らぬが仏」なのかも。今回だってデータだけを利用すれば、少なくともベラナには問題なかったような気がします。 冒頭のドクターの講習会。彼の鼻持ちならない短所をかき集めたような、自慢げなシーンから始まり、最後の決断。ドラマのキャラクターとしては面白くても、長旅を続けるヴォイジャーにとって、医者が人間ではないのは、本当は不幸なことなんですよね。少なくともジェインウェイ艦長が、ピカード艦長にはない苦労を背負ってるのは確かです(苦笑)。 細かいことを言えば、艦長命令に背きいぢわるする副長、機関室の部下をすっかり手なずけてるベラナ、お見舞いに来たはずなのに、とっても女王様な艦長とか、重いエピにツッコミどころがいっぱいでした。 THIRTY DAYS:水の惑星に消えた夢 ★艦隊の誓いを守ったら・・・ TEST COUNTERPOINT:偽りの亡命者 ★残って欲しいと言ったのは本気よ 全編に渡り艦長鑑賞エピソードです。初期シーズンではピンクのナイティなど、セクシーシーン(?)もありましたが、これほど艦長が色っぽく見えたことはないでしょう。いつものハードでオトコマエな艦長も素敵ですが、冒頭から美人度20%増しでドキドキ(苦笑)。 テレパスを迫害するデボアの領域を通過中に、何度も執拗な検査を受けるヴォイジャー。乗艦してきた検査官はデルタ宇宙域の種族のくせに、マーラーの交響曲を流したり、艦長に馴れ馴れしかったり嫌味な上に顔が濃い。一方ヴォイジャーはヴァルカン人の2人と、テレパスの難民を乗せているので最初からデボアを騙しているわけです。 そこへ当の検査官のカシックが亡命したいとやって来ます。どう考えても胡散臭い。アヤシイ。こんなヤツに丸め込まれる艦長では勿論ないのですが、なんだかいつもと様子が違う。難民を逃がすワームホールを探すために、鼻パフパフの異星人トラットと交渉する時の息の合い方も副長以上。食堂でワームホールの計算をする時に、上着を脱いで妙にリラックスしていたり、原題の「対位法」から計算法を見つけた時の接近具合とか。 ワームホールに向かう途中、デボアのセンサーをかわしきれず探知され、カシックがデボア艦に戻りヴォイジャーを逃がすと言います。ネタバレ邦題のおかげで彼が裏切るのは私には判るのですが、まさか艦長、本気で騙されてませんよね?。トゥヴォックは当然としても、副長まで話しに全然からんでこないし、カシックを見る切ない表情に吹き替えの松岡さんの声がピッタリはまって、艦長の本心がどこにあるのか判りません。そしてシャトルベイでの、美しい○○シーン。見てはいけないものを見てしまったようで再びドキドキ(苦笑)。 これで騙されましたね。検査官として再びヴォイジャーに乗艦し、本性を現しイヤミ全開で艦長席に座ったカシックですが、ヴォイジャーのデータの全てを調べていながら危機回避能力を過小評価し、作戦成功を疑わないような単純さでは、出し抜かれても仕方ありません。だてに4年も厳しいデルタ宇宙域を流離ってません。まあ艦長の「女の武器」はヴォイジャーのデータベースにはないでしょうから、防御できなくて当然かもしれませんが。 それにしても切ない!!。艦長が魅かれたのはカシックの危険な香り?。でもシャトルベイで彼を見送る後姿、判ってたのでしょうね「もう戻らない」と。用心を重ね常に次善の策を用意する、生き延びるための習い性が、この時ばかりは不要であって欲しいと願いながら、でもカシックは信じていい男ではないと。 互いの喉元にナイフを突きつけ合うような危うさを感じさせる艦長の「恋」。ヴォイジャーのクルーは、誰もが大なり小なり孤独や喪失感を抱えていると思いますが、唯一無二の孤高の存在である艦長の孤独を癒してくれる人は艦の中に1人もいません。つかの間の恋が安らぎをもたらすはずもありませんが、それ故に恋心は深く激しかったかもしれませんね。ブリッジを出て行くカシックの「心が揺れないでもなかった」という言葉を、艦長はどんな思いで聞いたのでしょう・・・。 LATENT IMAGE:ドクター心の危機 ★ある選択がドクターの「心」を狂わせていく TEST BRIDE OF CHAOTICA!:侵略されたホロデッキ ★服のサイズは4よ! 第5シーズン当初から何度か登場したトムの「キャプテン・プロトン」が、ヴォイジャーを巻き込む大騒動に発展。ハリーや副長と比べると、トムの不幸度は低いと思いますが、ドクターと並ぶトラブルメーカーかもしれませんねぇ。 ホロデッキの空間に開いた穴が光子生命体の世界が繋がり、そのためにヴォイジャーは亜空間の歪にはまり身動きがとれません。慢性的エネルギー不足で節約生活を続けていますが、メインパワーとは別系統のホロデッキパワーは潤沢。でも今回はホロデッキがダメになり、その余波でレプリケーターが使えない。ショボい食事(あれはワカメ?)にうんざりのクルー、艦長はコーヒーが切れてニーリックスに八つ当たり。どんな命令よりも剣呑な「コーヒー!ブラック!」、話しくらい聞いてあげましょうよ、艦長。 光子生命体とプロトンのキャラ「悪の帝王ケオティカ」が交戦状態になり、ヴォイジャーはますます歪に引き込まれ、脱出するにはケオティカを倒すしかない。対策会議はいつになく砕けた雰囲気。一生懸命トムが説明するのにトゥヴォックは絶妙のツッコミを入れるし、副長はマジ受けで笑ってます。クモ人間族の女王「アラクニア」だけがケオティカのシールドを解除できる、さあ誰が女王を演じるか?。 「誰がいいの?」と余裕で周りを見回す艦長に、全員一致で目で答えるシーン、特にトムの「アナタですよ!」の笑顔が最高。皆に畳み掛けられて艦長も降参。「服のサイズは4」ですか(ウラヤマシイ・・・)。トムにアラクニア女王の衣装のパラメータを見せられた時の艦長の表情も必見です。確かにこれはベラナには頼めませんよね。 あとは艦長の名演技を笑い・・・じゃなく楽しみましょう(笑)。久しぶりのコスプレ、髪型と衣装で別人です。あれはトムのデザイン?、ドレスのスリットがヤバいヤバい(^_^;)。始めはイヤイヤだったのが、途中からノリノリと言うか、なりきってますよ。舞台女優ケイトさんの魅力満開、松岡さんの吹き替えも悪者ちっくでいい味出してます。「邪悪で狡猾な」ケオティカの上を行くアラクニアの手練手管に、宇宙の守護者のキャプテン・プロトンも出番ナシ。艦長は何故こうも悪女が似合うのかなぁ(爆)。 光子生命体が昔のギャングみたいな服なのは何故?とか、悪のロボットの声がニーリックスだわとか小ネタにツッコミを入れ、トム&ハリーに声を揃えて怒られるドクターを笑ったり、たまにはこんなお笑いエピソードもいいですよね。 GRAVITY:ブラックホールと共に消えた恋 ★トゥヴォックの秘められた過去 TEST BLISS:夢を食うワームホール ★私は医者だ、ドラゴンバスターじゃない TEST DARK FRONTIER:ボーグ暗黒フロンティア計画 ★艦長として忘れちゃいけないことは3つあるの いくら相手がボーグでも、弱ってるスフィアからトランスワープコイルを奪うなんて、まるで火事場泥棒じゃないですか(^_^;)。思いつく艦長も艦長ですが、誰も反対しないのが不思議です。こんなことには真っ先に反対しそうな副長が、プロローグからずっと艦長にへつらってますから何をかいわんやですね。まあこれも、ボーグクイーンに拉致(?)され、ユニマトリックスに連れて行かれたセブンを救う布石だから仕方ないか・・・でもやだ(苦笑)。 強奪計画を実行するために、周到にミリセカンド単位のシミュレーションを繰り返し、実際に成功させてしまうあたり、セブンの両親の研究があったとはいえヴォイジャーはすごいすごい。いえ半分はイヤミです(爆)。フェイザーライフルを持っていても、爆薬を仕掛けても敵とみなさないボーグ、「脅威」の基準は不明ですがドローンは本当に歯車なんですね。これだけならボーグも恐くない感じですが、クイーンは全てお見通し。周到さとしたたかさでは艦長をしのいでます、ここまでは。 人間に戻されて1年半?、セブンはボーグだったことが重荷になってるのですね。自分と家族の過去を冷静には見られない。前半のセブンの動揺は意外な気がします。ニーリックスだと否定して終わりですが、艦長には弱い部分を正直に見せます。心の揺らぎを気遣い実行班から外すと言う艦長に、「艦長のためなら私の心など問題ではない」と言い切ってしまうセブンの健気さ。ボーグクイーンに脅されていると言えば、艦長はすぐに計画を中止して最大ワープで逃げるはずなのに、艦長譲りの自己犠牲の精神が、セブンの思いつめた表情に見え隠れします。 セブンの真意に気付かず同行を許し、コイルはゲットしたもののスフィアに彼女を残し、なす術もなくヴォイジャーへ戻る艦長。セブンの裏切りを半ば当然のように受け止め、ベラナは無断でセブンの個人データにアクセスし、ニーリックスはアルコーブの電源を切ろうと言い、副長まで裏切る機会を狙ってたと言います。でも艦長は裏切ったとは信じられません。ベラナにプライバシーは守れと超厳しく言い渡し、当然アルコーブはそのまま。1人作戦室にこもり分析、調査しセブンの真意を探ります。 もう1人セブンを信じるナオミとの作戦室でのやり取りは、ハードなエピの中で、一服の清涼剤のようです。艦長として忘れちゃいけない「シャツはズボンの中、艦が命、そしてクルーを決して諦めないこと」はちょっとユーモラスで、でも艦長の覚悟をズバリ言い表してますね。スキャンの結果ボーグから接触があったことが判明し、全員総出でセブン奪還計画。ここからはヴォイジャーの本領発揮、ブリッジで指示を出す艦長「指揮は私が取ります!」に拍手パチパチ。 ユニマトリックスに連れて来られたセブンは、背骨ユラユラのクイーンと対面。彼女をヴォイジャーに送り込む際の深慮遠謀には驚き。地球人にそれだけの魅力があることも。薄笑いを浮かべセブンの頬に手をやり「一つになれ」・・・コワイ、さすがはクイーン。同化される阿鼻叫喚を「される立場」で目撃し、助けに来たデルタフライヤーが攻撃され、ドローンの父と再会。クイーンの静かなる恫喝に、次第に追い詰められて行くその時、頭に響いた艦長の声。「セブン・オブ・ナイン助けに来たわ。待ってなさい」はこのエピ最高のセリフです。 クイーンと艦長のどちらを選ぶか、答えは出てると言えば出てますよね。クイーンはセブンに「一つになれ」、セブンは艦長に「我々の意識は一つ」、全体の中に埋没する個にセブンが戻るはずはないし、ヴォイジャーが自分の居場所だと思ってるのですから。2人が転送された時、クイーンが見せた悔しそうな表情に少々溜飲が下がりました。 ヴォイジャーに戻り、再生時間を無視してデータを入力、やはりセブンは健気。ヴォイジャーのためと言うより艦長のため。でも助けに来るとは思わなかったって、まだ艦長を解ってなかったのね。ラスト「これは命令よ」と言われて見せた素直な笑顔は、どんな時も支え、受け入れてきた艦長が手にした大きな成果かもしれません。 セブンに何を言われても全く動揺しないボーグクイーンに、セブンが何も言わずボーグの巣窟へ戻ってしまっても信頼を揺るがさない艦長。セブンをめぐる女王様対決は、今回は我らがヴォイジャーの女王様の勝ち。艦長を人間性のお手本にしてるけど、いつかはセブンも女王様になるのかなぁ。 THE DISEASE:自由は愛をも越えて ★恋するハリー TEST COURSE:OBLIVION:崩壊空間の恐怖 ★もう一つのヴォイジャー!? TEST THE FIGHT:眩惑のカオス・スペース ★イカれたじいさんさ 最初に地上波で見て、次に録画したビデオを見直して、DVDでも再見しましたが、ハッキリ言いましょう。訳が解りませんでした(笑)。どれが現実で、どれがチャコティの妄想なのかが、まず解らない。彼の髪型(オールバックと前髪下ろし)で区別がつくのかと思えば、そうでもないようです。 「カオス・スペース」にはまってしまい、脱出の方法を未知の異星人が教えようとしてるのですが、唯一のコミュニケーション方法が、何故か副長の幻覚に入り込むこと。だから副長はそれを見ないといけないのですが、彼には祖先から受け継いだ認知症の遺伝子のために、幻覚に世界から抜け出せなくなるおそれがある。妄想と現実の境が曖昧になった祖父を間近に見て育った彼は、自分がそのようなことになったらと、非常に恐れるわけです。 で、何故かコンタクトの方法は、ボクシングの試合なんですよね。きっかけがホロデッキのボクシングの試合でノックアウトされたことだからでしょうか。私には、もうここらへんで理解困難(苦笑)。恐怖に支配された副長をクルーが励まし、なじり、追い詰める。彼は副長の任務を重荷に感じてると、そんなふうにも受け取れます。マッドサイエンティストなドクターが一番コワい。ニーリックスもマッサージして励ましてんだか、なんだか(爆)。 難解なこのエピソードの一番の見どころは、なんと言っても艦長です!!。お当番ではないし、ましてロマンス・エピでもないのに非常にお美しい。駄々っ子みたいに暴れる副長の腕を掴んで押さえたり、幻覚を見るのを嫌がる彼を説得するのに足を触り、手を握り、胸から顔を触り・・・。副長も艦長の二の腕を掴んだり、手はしっかり握り返したり、2人の接近度、密着度が異常に高い。つまりJ/Cの煩悩を直撃するシーンが多いエピです。 最後は幻覚の中で異星人とコミュニケートできた副長が、脱出方法を教えにブリッジへ来るのですが、艦長を押し倒しそうになるほどの勢い。妄想に囚われてるのか、正気なのか解らないのに、彼を信じて艦の操作を任せる艦長の度胸に拍手を送ります。 艦長にホロデッキまで見送ってもらい目尻が下がってる副長、妄想のショックからは抜けたようですね。休養を取らない彼に、ボディーブローを一発お見舞いする艦長がお茶目。何がいいたいのか、ホントに判らないエピですが結構好きです。 THINK TANK:頭脳集団クロスの陰謀 ★これでも私をなぐさめられる? 最初に見たときは、騙し、騙されが心理戦とも言えないようなレベルだし、何よりもラストが嫌な終わり方なので、録画したテープもさっさと消してしまいました。「偽りの亡命者」も騙しあいでしたが、いわゆる「ロマンス」を抜きにしても、このエピソードみたいに胸がザワザワするような落ち着きの悪さはありませんでした。でもDVDで見直すと、少し感じ方が違っていました。 このエピもセブンと艦長の信頼関係がベースですよね。「行きたければ行っていいのよ」は、行くわけないと信じてるからでしょう。でも、もしセブンが望めば、黙って送り出すかもしれません。かつて変異の時を迎えたケスを、涙をこぼしながらも見送ったように。まあ、セブンがヴォイジャーを出て合流するには、頭脳集団のクロスはアヤシ過ぎますが。 こういうエピこそ全員が活躍するといいんですけどね。技術屋ベラナの腕と頭のキレとか、アイデア豊富なハリーとか、無茶する艦長を止める副長とか(これは違う?)、見せ方は色々あると思うのに・・・。したたかで腹黒そうなクロスを出し抜くのに、雁首そろえて会議しても、艦長の鶴の一声で決まってしまうのは残念です。それと、この状況を脱するにはセブンがクロスの元に行くしかないのに、彼女を渡したくないという思いは、艦長からしか感じられなかったことが気になりました。 八方塞がりの艦長をコーヒーで慰めるニーリックス。艦長にこうした働きかけができる人は彼しかいません。艦長もそれが分かっているから、夜更けの食堂で一人で悩むのかもしれませんね。考えてみればカウンセラーや、人間の医療従事者がいないヴォイジャーで、メンタル面のケアはどうしてるのでしょう。任務を離れて休暇は取れるかもしれませんが、艦から離れての休暇は、そう滅多にとれませんから。 意外に人が善いハザリ人に助けられ(?)、辛くも危機を脱出。ラストのタコ殴り状態から一目散に逃げるのだけは、何回見ても後味が悪いです。ヴォイジャーの結末を知っているJ/Cの人は「そんなに欲しいなら連れてって」と言いそうですが、私は艦長マニアなだけなので、セブンに行かれては困ります。これはもしかしてJ/7?。でもロマンスは抜きですが(苦笑)。 JUGGERNAUT:憎しみはコロナの果てに ★怒りのベラナ TEST SOMEONE TO WATCH OVER ME:誰かが君に恋してる ★ドクターのマイ・フェア・レディ TEST 11:59:甦るジェインウェイ家の秘密 ★クッキーがおいしくなかったの 「万里の長城を作ったのは?」、「中国人!」あはは!いきなり笑わしていただきました。それはまあそうだけど。21世紀最大の建造物「ミレニアムゲート」を作った人は、艦長の遠いご先祖様、シャノン・オドンネル。憧れの人はアメリア・エアハートだけじゃないのね。 どんな人かと思えば、いきなりガス欠、金欠、事故ってエンスト。ついでに失業中。踏んだり蹴ったりで、かなりトホホ。でもお茶目でかわいい。出会ったばかりのヘンリー・ジェインウェイと「冷たいビールがない」で意気投合。古ぼけた本に囲まれて、ロウソクの灯りの下でパンとワインとリンゴのディナー。このシーン、とても好き。 24世紀の艦長は、記録の断片から憧れの人シャノンの実像を知って落ち込んでます。作戦室でヒザを抱えてスネてる艦長、ボーグにケンカ売った人とは思えないしおらしさ(笑)。原語では面白いことを言ってます。要約すると「ホログラムの機関主任、カーデシア人コックのニーリックス、セブン・オブ・トゥエルブは再生中、そしてチャコティ艦長」で、未来の人はヴォイジャーの記録からこんなふうに読み取るかもしれない。事実は一つでも解釈の仕方はいくらでもあると。いつになく饒舌な艦長に口を挟めず、何とも言えない表情の副長がラブリー。 ヘンリーに「君がいなくても何も変わらない」と言われて、すごく傷ついた顔をして店を出て、一度は思いを断ち切り車を飛ばしたシャノンが、彼の元へ戻った理由が「クッキーのせいよ」。愛する人のそばにいる安らぎを知ったら、独りで食べるクッキーは味気ないでしょう。ぶっきらぼうな話し方に、頑固で不器用なシャノンの精一杯が現れていて微笑ましい。艦長もこれくらい素直ならねぇ。 21世紀に一つの家族となったジェインウェイ家、24世紀ではヴォイジャーの中で艦長を中心に家族となってる。ラストの記念写真、ちゃっかりいちゃついてるトム&ベラナ(笑)。異星人もSFも何も無いエピですが、こんなのもいいですよね。 いつもの深読みをすれば、シャノンのように旅(模索)の途中で出会った人にふと心惹かれ、前ばかりを見ず今を見て、心を寄せる人の手を取れば幸せを掴むことができる。傍目には平凡に見えても、愛する人の傍らにいる幸せ。アルファ宇宙域にいたら艦長もマークと結婚して、幸せな満たされた日々を過ごしていたはず。デルタ宇宙域にいる艦長には掴めない幸福を、同じ顔をしたシャノンに託したのかもしれません。 最後のほうまで見なければ原題の意味が解りませんでしたが、なかなか趣がありますね。でも邦題の意味は何なんでしょう(苦笑)。強情なヘンリーと頑固なシャノン(逆でも可)のDNAは、15代あとの子孫までしっかり受け継がれている。それが甦った秘密だったり?。んなわけないか(爆)。チョコチップクッキーが食べたいなぁ〜。 RELATIVITY:過去に仕掛けられた罪 ★久しぶりに艦長の頭がタマネギに TEST WARHEAD:乗っ取られたドクター ★よくわからない物を艦に乗せるのはよしましょう TEST EQUINOX PART1:異空生命体を呼ぶ者達(前編) ★デルタ宇宙域で艦隊の艦に遭遇 TEST |